「置かれた場所で咲きなさい」に感じた違和感の正体
大ベストセラーとして有名な本「置かれた場所で咲きなさい」。
何度か本屋で手にするものの、何か違和感を感じて購入するに至らなかったのですが、今回なぜか無性に読みたくなって、きちんと読んでみました。
その違和感は何だったのか、読んだ感想と共にまとめました。
「置かれた場所で咲きなさい」とは?
元ノートルダム清心学園理事長・渡辺和子(1927年〜2016年)の著書。
2012年4月に発行され、その年からずっと売れ続け、現在220万部を突破している大ベストセラー本です。
第4章まであり、全部で40コンテンツのタイトル(お題)に対して、短いエッセイと心に残る言葉(名言)が綴られています。
157ページで文字もそんなに小さくなく、難しいことも書いていないので、1〜2時間程度あれば読むことができます。
「置かれた場所で咲きなさい」を読んだ感想
ご自身の生きてきた経験談から、終始「こういう考えを持ちましょう」というお言葉が並んでいます。
その中には、日本人として教育されてきた人なら当たり前と感じることもたくさんありました。
例えば、「挨拶を忘れてはいけない」「笑顔でいましょう」など。
「嫌われる勇気」のようなこれまでの価値観を覆されるような衝撃的なことは書いてありません。
「そうだよな〜」「そういう考えを持つといいよね〜」という感想で終わりました。
タイトルの「置かれた場所で咲きなさい」の内容は、全40コンテンツの中の1つなので、置かれている場所で苦しんでいる人にとっては肩透かしな内容だと思います。
そして、宗教色が少し強いかなとも感じました。
感じた違和感は抵抗感
感じた違和感は、2012年当時まさに「置かれた場所」に大きな不満を持っていた時期でした。
そこに「置かれた場所で咲きなさい」と言われても、どうしても抵抗感を感じてしまっていたのです。
環境が良くなるいつかのために頑張っていたので、嫌な環境を受け入れることは、諦めになるのではないでしょうか。
また、人によっては逃げることも大切なのではないでしょうか。
そして時が経った今、その環境があるタイミングで変わり、思い描いていた「いつか」にはまだ遠いものの、状況が驚くほど良くなりました。
そうなると、心の余裕も出てきて、この本を落ち着いて読むことができたのです。
「置かれた場所で咲きなさい」が売れた訳
このような類の本は、いわば数え切れないほどたくさんあると思います。
それではなぜ、その無数にある中から、この本が売れたのでしょうか。
一言で言うと、「タイトル勝ち」に尽きると思います。
花を擬人化したキャッチーなタイトル。まさしく売れるコピーです。
「世界に一つだけの花」に似ていますね。
まとめ
たくさんの良いお言葉が掲載されているので、「とある修道院長の方のエッセイ集」として読むと良いと思います。
例えば「毎日を『私の一番若い日』といて輝いて生きる。」は、挑戦する勇気が持てます。
確か、スティーブ・ジョブズも同じことを言っていましたね。
ただ、今の環境がとても辛く、特効薬を求めていて、大ベストセラーだから何かあるに違いないと期待して読むことはオススメしません。