「夜は短し歩けよ乙女」のあらすじと感想!イラストを描いているのは誰?
森見登美彦(もりみとみひこ)著の「夜は短し歩けよ乙女」。
2017年4月7日にアニメーション映画が公開され、星野源が声優を務めることが話題になっています。
「夜は短し歩けよ乙女」は2006年に出版された130万部を超えるベストセラー。
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最初の導入は少し読みづらい
大学生である主人公「先輩」からの視点と、その後輩である「黒髪の乙女」からの視点が交互に描かれながら話が進んでいきます。
まず、感じた印象は漢字が多くて読みづらい・・・。
「偕老同穴」「無手勝流」「胡瓜の尻尾へ砂鉄をまぶす」などの言葉が並び、直感的に想像がしづらいです。
そして、話の内容も、突然現実を越えた現象が描かれていきます。
人が浮いたり、鯉が竜巻にさらわれたり・・・。
読みづらい・・・。
つまり、「平坦な言葉で描かれた恋愛小説」を期待して読もうとすると拒否反応を起こしてしまいます。
「少し古い文章で描かれた恋愛ファンタジー小説」と捉え直して、この世界観を楽しもうと意識を変えた途端、急に面白くなります。
途中から止まらなくなる
「先輩」は片思い中の「黒髪の乙女」を追い求めるけれども、先輩の立場から先に進めない。つまり、デートにまでなかなか誘えない。
一方、「黒髪の乙女」も、「恋」をしたことがなく、先輩のさりげないアプローチにもまったく気付かない。
平行線を辿る2人ですが、あらゆる奇妙な登場人物や出来事を通して、少しずつその関係に変化が訪れ・・・。
この奇妙な登場人物と出来事について、2人の視点がまったく違っていることも、面白さのポイントです。
人によって捉え方が全く違う。つまり現象は同じだけど、それを良しとするかは受け取り側次第、いうことが良く分かります。
読後の爽快感
グイグイとその世界観に惹き込まれ、途中から止まらなくなってしまい、一気に最後まで読んでしまいます。
その読後の爽快感はたまりません。
次は、分からなかった漢字の意味を調べながらまた読もう、と思えました。
本の装丁が素敵
印象的なのは、その本の表紙のイラスト。
「黒髪の乙女」の美しい横顔を中心に、その話の内容に出てくる林檎やダルマ、三階建ての車などのモチーフが散りばめられ、この本の世界観が表現されています。
このイラストを描いているのは、イラストレーターの中村佑介(なかむらゆうすけ)。
「謎解きはディナーのあとで」の装丁や、
「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のCDジャケットも手がけています。
「夜は短し歩けよ乙女」のアニメーション映画でも、キャラクター原画を中村佑介が、主題歌はアジカンが担当するなど、色々とリンクしていますね。
まとめ
読み始めた最初の頃は抵抗があったものの、そういう世界観だと受け止めた途端、一気に入り込め、読後には爽快感を感じることができる。
もうすっかり森見登美彦ワールドの中に入ってしまいました。
アニメーション映画では、活字が視覚的に再構築され、声が吹き込まれ、そのファンタジーな世界観がより色濃く表現されることと思います。
星野源が声の出演をするアニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」の完成披露上映会にお越し頂いた皆様、ありがとうございました!映画は4月7日から全国の映画館で上映になります。公開まで今しばらくお待ち下さいね! #黒髪の乙女 pic.twitter.com/tGOci1CNcp
— 星野源 official (@gen_senden) 2017年3月9日