これぞ美しい大人の恋愛「マチネの終わりに 」のあらすじと感想(ネタバレあり)
アメトーークの読書芸人第3弾で、オードリー若林とピース又吉先生の2人が2016年にオススメする本として紹介した本「マチネの終わりに
」。
気になって仕方がなかったので、さっそく買って読んでみました。
さらっと読める「コンビニ人間」とはまた違って、全403ページとそれなりに厚い本。
一言で感想を言うならば、「美しい大人の恋愛」。
その織りなすきれいな言葉の数々と、丁寧な心理描写に酔いしれること間違いなしです。
「マチネの終わりに」のあらすじ(ネタバレあり)
38歳の天才ギタリスト(蒔野聡史)と40歳のジャーナリスト(小峰洋子)の恋愛ストーリー。
時期は、2006年の紅葉の終わりかけの頃から、2012年5月の蒔野のギターのリサイタルまでの間。
その5年半の間に2人が実際に会ったのは、たった3回。
すでに地位を築いていた蒔野、すでに婚約中だった小峰の遅すぎる出会いから始まる。
側から見れば、仲間内と一緒にご飯を食べ、楽しく会話をしただけの関係。
しかし2人は、その出会った瞬間から惹かれあっていた。
互いに、相手の気持ちはどうなのか手探りながら、そして慮りながら、自分の感情についても客観的・俯瞰的に見る。
その結果、やはり一緒に生きていきたいと決心し、これまでの環境を整理しようとする。
しかし、周りの人々や環境がそれを許さなかった。
蒔野のマネージャーに、自身のスランプ。小峰の婚約者に、仕事先で起こったテロと、そこから発症してしまった病気。
それでも心を通わせようとするが、まだ周りも許さない。
蒔野の恩師の病気、小峰の母の気遣い。
そして、ついにマネージャーの出来心が決定打となり、2人はバラバラになってしまう。
それでも時は無情に流れていく。
その中で生きていかなければならない。幸せを見つけていかなければならない。
それぞれ別々に家族を持ち、子供を持つ。
生活があり、忙しい日々がある。
そして、さらに時は流れていく。
震災があり、小峰の夫の浮気発覚と離婚があり、マネージャーからの過去の過ちの告白がある。
また少しずつ、お互いの環境と気持ちの歯車が噛み合っていく。
そして、出会ってから5年半の歳月が流れた後、2012年5月、2人は再会する。
「マチネの終わりに」の感想
冒頭にも書きましたが、「美しい大人の恋愛」。この一言に尽きます。
お互い惹かれあっているのに、少しのズレでこんなにも関係が引き裂かれていく。
しかし、それは「点」で見た時の話であって、「線」で見ると、つまり最終的には、一緒になる。
それが、誰を籍を入れていようが、子供が何人いようが、年齢がいくつだろうが、震災やテロがあろうが。
大人な年齢が故に、「どんな環境であっても誰を傷つけようとも」といった、暴走さはない。
時間はコントロールできないけれども、時間が解決してくれる。
どんな時代や環境であっても、諦めの気持ちをどこか抱えながら人は「生き抜いている」。
そんなことを教えてくれた本でした。
石田ゆり子もオススメ
ご自身のインスタグラムにて紹介されていました。
まさに大人の女性と言えば!の方なので、ピッタリですね。
まとめ
満足感や充実感があり、読み応え抜群なので、多くの方に紹介されるのも納得がいく本でした。
まさに心を豊かにする本。
そんな本に出会えて良かったです。
「マチネの終わりに」とのタイアップCD。
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